キャリア(人生)を考える

2018.01.29

「キャリア」と聞くと、経歴や職歴、資格といったものを想像することが多いかもしれない。広い意味で、「キャリア」とは人生である。人生のうちで「働く」ことに費やす時間は寝ている時間よりも多い。男でも女でも、その中間でも、キャリアの中の「働く」ことについては出来る限り平等でありたい。

その昔、女性は家庭に入ることが一般的だった時代から、現在は女性が「働く」ということが当たり前になった。政治から雑誌まで、いたるところで「出産・育児をしながら女性も働けるように」と聞くようになった。この表現の仕方について、ある時フッと気が付いたことがある。出産・育児は女性が行うことが前提になっているのでは?ということだ。現在の生体の構造上、出産は女性しか行えないもではあるが、育児は男性も行うことができるのに。

育児休暇を取ると、現場復帰や職務としてのキャリアアップに影響がある世の中であるから、男性も育児に参加することが難しいのだろう。女性が、男性と同じように職務としてのキャリアアップを行っていけるように目指すのであれば、性別に関係なく「育児をしながら働ける」環境を作ることが必要だということを、国民全体が理解する必要があるだろう。

こう思うのは、私の中にある算数的考え方があるからだ。
独身女性が、仕事を60%とプライベート生活40%の割合で生活していたとする。結婚すると、子供が居ない間はこの割合を維持できるだろう(相手にもよるが)。しかし、出産した後はどうだろう。育児を女性だけが行う環境で仕事を同じように続けるとなると、仕事60%でプライベート生活40%はそのままで、そこに育児という+αが生じる。この割合は労力の割合だとすると、女性は常に100%以上の労力で生活をしていかなくてはならないのだ。

現代では、この+αの労力の一部を男性が担ってもらえないのであれば、その負担はそのままに女性だけのものになる。+αが50%だとすると、子育てする女性は、自分のキャリアも考慮しつつ育児をするとなると150%の労力を365日担わなくてはならない。女性も男性と同じように職業としてのキャリアを積むには、限りなく不可能である。インテリジェンスの高い男性であれば、平等という視点で考えたとき、現代の男女不平等さに気が付けないはずがないと思うのである。男性は結婚をすると、家のことのほとんどを女性に任せて仕事に専念できる環境に入ることもできるだろう。独身生活の60%を仕事、40%をプライベートとした時に、40%の中にある家庭に関することを手放した場合、80%~90%くらいを仕事にすることもできるのが、現代の状況ではないだろうか。

これに気が付いている男性がいて、女性に「男性と同様に平等なキャリアアップを!」と公言するのであれば、自らが子育て50%分(家庭内の家事も含む)のうち半分を担っていただきたいものである。そうすれば、本当の意味で男女平等というものに近づき、生産年齢の方々の社会での活躍を促進してくことになり、働き方を改革していけるのではないだろうか。

 

東京ベイ浦安市川医療センター
集中ケア認定看護師/米国呼吸療法士

戎 初代