コラム
看護師の皆様に役立つ情報や知識を定期的に更新しています。
医療現場での実践的なアドバイスから、キャリア形成に関するヒントまで、幅広いトピックを取り上げています。
米国の大学は卒業しにくい?
2018.03.31「米国の大学は入りやすいが、卒業は難しい、日本の大学は入るのが難しいが卒業は簡単だ」という事を耳にした事がある。米国は本当にそうなのだろうか?と思っていたが、米国での学生生活を送ってみて理解できたところがある。私の在籍した学科は、5名の学生がドロップアウトした。理由には、興味がなくなった者、成績がボーダーに達しなかった者、適性が難しい者、家庭の事情と様々だ。もちろん、ドロップアウトさせると同時に、どこの学科に移籍するか十分にサポートしてくれている。
卒後に医療現場に出る人材は、学びを正しく進められる人材でなければ、人の命を預かる事は困難である。命を預かる職業への適性は、テストだけでなく学習意欲や態度、実習状況から総合的に判断される。この判断は、大学として教育者として正しいと思うのだ。
卒業資格が与えられると、国家試験をいつ受けるか(日本のような1年に1回しか受けられないシステムではない事も影響はあるだろう)も、学生自身が決めて受けている為、受かるも受からないも学生自身の責任である。
学科で課せられる論文も、コピーペーストが行われないように、学生が課題として出される文章はコンピューター上でスキャニングされている。その為、他人の文章を不正に用いると大学にバレるシステムである。このスキャニングに、ある一定以上引っかかると、注意勧告から退学にもなる。この件については、入学オリエンテーション初日に新入生に説明され、退学になるような事がないように勉学に励むように念を押されるのである。
米国の学習システムが最上というわけでは無いが、医療系は特に命を預かる職種であるため、適性が見込めない者であれば、学校の教育の中で早いうちに諦めさせる事も、重要な学校の役割だと思うのだ。学校の教育からすでに、患者の命への関わりは始まっている。社会に出た時に、自分もしくは自分の大切な人を任せられる人材であるのかどうか、という視点での判断も、教育現場には必要な評価の一つではないだろうか。
東京ベイ浦安市川医療センター 集中ケア認定看護師/米国呼吸療法士
戎 初代