コラム
看護師の皆様に役立つ情報や知識を定期的に更新しています。
医療現場での実践的なアドバイスから、キャリア形成に関するヒントまで、幅広いトピックを取り上げています。
より自分らしい最期のために、終活を
2017.11.13「今、もし死んでも後悔は無い」と思うようになって、もう10年位が経つ。これからの目標はもちろんあるが、いつもそれに向かって真摯に取り組んでいると、自分自身が納得しているからどんな時に死を迎えても後悔は無いのだ。人は言う「目標半ばでって後悔あるでしょ?」と。目標は達成できたらそれにこしたことは無いが、達成できないこともこの世にはあるのだという事を理解している。私にとって「目標」とは到達点という一点でしかなく、そこに向かうまでの過程の線(道)、真っ直ぐな道、曲がりくねった道、遠回りな道、道なき道などなど、目標までの点に向かって、どんな事を自分が行いながら向かっているかが重要なのだ。「目標到達<目標までの過程」という位置付けである。
例えば、今、ある病気になったとして、手術が必要となった場合、その手術が術後の生活環境を大きく変える可能性の高いものだったら、私は手術を選ばない。最悪の術後を想定した時、その状態を自分が受け入れられるものでなければ、生きてはいけない(生きる事を後悔する)からだ。
日本は高齢化社会に入る。日本人は、もう少し自分の最期について考える機会を持った方が良いと、20年以上医療に関わっていて思うのだ。国の医療費が増大するから、延命治療についてよく考えるべきという考え方はおかしい。医療費を削減するためではなく、一人一人の最期をその人らしく迎えてもらうために、延命治療のあり方について考えるべきなのである。延命治療だけではない、様々な治療を受ける者が納得して選択するという事も必要なのである。納得するとは、一つの治療を選択したのであれば、それによって起こる最悪のシナリオも受け入れているという事だ。判断を他人に任せる事は、ある意味「自分の人生への甘え」だと思うのだ。
自分が自分でいられるうちに、歳を重ねるという現実を受け入れ、自分の最期がどうありたいのか、しっかりと記録にでも残しておかなくてはならない。
東京ベイ浦安市川医療センター
集中ケア認定看護師/米国呼吸療法士
戎 初代