実習先でのNPや麻酔看護師とのコラボレーション

2016.09.05

アメリカで呼吸療法士としての実習やインターンシップを受けながら、実際に何人かのNPと麻酔看護師関わることがあった。その中でも、NICUでのNPとの関わりをご紹介してみたい(話に入る前に、私がここで書くことは、アメリカの中に多くある病院の中で、わずか二つの病院の中での出来事であること、また、各専門職の業務範疇は、それぞれの州や病院のルールに乗っ取り行われているということを先にお伝えしておきたい。よって、ここに書かれていることが、アメリカ中のどこの病院でも全く同じ内容ではないということでご理解いただきつつ、アメリカの一部の医療現場の呼吸療法士、NP、麻酔看護師のことを書いているということで、誤解のないようにお願いしたい)。

まずひとつ目の話は、NICUでのNPとその実習生との関わり。
新生児の気管挿管とサーファクタント投与は、医師やNPからの指示が出る(チームラウンド時にその日の治療方針を決定し、指示をカルテ上に出す)と、その指示は呼吸療法士と看護師で行われることが多い。ある日のNICUでは、チームラウンドの時に、サーファクタント療法の指示があった。何時から、どのように行うかは、呼吸療法士が看護師とコミュニケーションをとって行われる。

この時は、NPの実習生もいたため、NPとその実習生もその治療に立ち会うということで準備が始まった。普段、NPは気管挿管を行わないことが多いそうだが(呼吸療法士が行うため)、学習と技術向上の為に、今回は1回のトライのみNPの実習生に行わせて欲しいという依頼だった。この場合、呼吸療法士はNP実習生の気管挿管をサポートすることになる。NP実習生による1回目のトライで、気管挿管が正常に行えなかったため、呼吸療法士が挿管をやり直し、サーファクタント注入を行って終了した。ちなみに、ライン確保も、NICU専属のカテーテル挿入チーム(フィジシャンアシスタント)がいて、彼らによって行われている。

では、NPは一体何をしてるのか?患者の状態把握、治療の進行状況(1日1日の治療と退院まで)、必要な処方や検査の依頼、看護師からの相談や報告を受け必要に応じて医師の指示を仰ぐ、患者の家族への説明(電話での対応も含む)という業務が主であった。

日本には国家資格として存在しないけどアメリカにある資格としては、NPや呼吸療法士だけでなく、麻酔看護師という資格もある。ICU実習中に数回、麻酔看護師と気管挿管をコラボレーションした。彼らはICU医師から依頼があった場合(術前の記録で挿管困難症例であることが明らかな場合など)は、ICUに気管挿管道具一式を片手に2人組でやってくる。医師や呼吸療法士とコミュニケーションをとり、必要な道具や薬剤の確認を行い、気管挿管を行う。呼吸療法士は、この場合、彼らのアシストに入るのが仕事だ。手技が安全に終わると颯爽と手術室に戻っていく。

日本にも大学院のNP課程が存在しているが、これは国家資格ではない。昨年より、特定行為が行える看護師の要請も行われるようになった。もちろん、これも国家資格は看護師という範疇を超えることはない。国家資格ではなくとも、これらのポジションにつく看護師には、自分の行う判断や責任性が強く求められるものであると同時に、名前というラベルに踊らされることなく、自分が患者に行うことすべてに対し、責任を持って日々頑張ってほしいと思っている。

アメリカの医療現場を見て強く思うこと、それは医療現場に存在するあらゆる職種の人達は、それぞれの職種を尊重しているということだ。私はNPだ、私は認定看護師だ、私は特定行為のできる看護師だ、私は専門看護師だ、私は病棟看護師だ、と呼び名として自分の存在にこだわるのはいいだろう。しかし、患者にとって良いことを行いたいという視点にたったとき、そんな呼び名の壁なんて必要ないのだ。どんな資格の名前の看護師であっても、こだわるべき唯一の事は呼び名ではなく、患者ケアだと私は思っている。

 

東京ベイ浦安市川医療センター
集中ケア認定看護師/米国呼吸療法士

戎 初代