コラム
看護師の皆様に役立つ情報や知識を定期的に更新しています。
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昨年の今頃は
2017.07.11昨年の今頃は、シアトルまで車で旅行していたことを思い出した。アメリカで、行いたいことの1つに車でアメリカ横断(ルート66)があったが、これは予算と時間の関係上実現できなかった。けれども、アメリカの道を車で運転したかった願いは、日本人の友人達によって叶えてもらうことができた。
アメリカ生活のほとんどは英語の環境で生活していたが、留学生活が落ち着いてきた半年を過ぎたころから、たまの休日やイベントでは日本人の友人と楽しい時間を過ごさせてもらっていた。世界の中のアメリカという国で、50州ある中のアイダホ州で、アイダホ州の中のボイシーという町で、出会えたことは奇跡だ。留学を決めなければ出会えなかった人達で、人生を彩ってくれる「ボイシーの愉快な仲間達」である。
シアトルへの車旅は、ボーイング社の見学とアメリカ海軍ブルーエンジェルズの航空ショーにあわせて設定し、8時間の道のりを交代で運転した。4人で国立公園内のオートキャンプ場にテントを張って、火をおこし、バーベキューを楽しんだら寝袋に寝る。これまで、こんな本格的なキャンプをしたことがなかったから、40歳オーバーの私はウキウキだった。大自然の中で、すこし肌寒さを感じる中でいただく朝のコーヒーも最高だった。翌日は航空ショーにあわせてキャンプ場を出て、シアトルのタコマ国際空港に車を止め、電車とバスを乗り継いで航空ショー会場までたどり着く。会場で無料試飲としてもらったジュースは、捨ててしまいたいほど不味かったのも良い思い出である。飛行機馬鹿な私にとって、アメリカでの航空ショー観覧は最高のプレゼントであり、最新のボーイングから古いプロペラセスナまでを川の岸辺に座って眺めると、「生まれ変わったら、飛行機になりたい」という気持ちがさらに強くなった。読者の方は知りたくもないかもしれないが、飛行機関係のことで1つだけ書かせてもらうと、アメリカ海軍のエアロバティックチームが「ブルーエンジェルズ」で、アメリカ空軍のエアロバティックチームが「サンダーバーズ」である。戦争によって発展している戦闘機は、戦争を思い起こさせるものではあるが、純粋に空飛ぶ飛行機をなんでも好きなのでご理解いただきたい。なにせ、「生まれ変われるなら、(パイロットではなく)飛行機がいい」のだから。
帰国して、あっという間に1年がきてしまう。この1年間、私は留学した意味を何かを残せているのだろうかと、フッとわれに返るのである。このコラムも、気が付けば提出期限が遅れるほど、仕事(現実)に追われる毎日である。そんな時、1年前の自分を振り返ると、あのときに感じていた新鮮で前向きな気持ちがよみがえってくるのだ。
ボイシーで出会えたみなさんにめぐり合えて、私は本当に幸せだと心から感謝している。またどこかで会える日を、歳を重ねつつ楽しみにしている。
東京ベイ浦安市川医療センター
集中ケア認定看護師/米国呼吸療法士
戎 初代