新しい自分に出会う新生活

2017.04.10

4月になり、新しい職場へ移動した方、新入職の方、あらたに学生という環境に入られた方、さまざまな方々の新生活がスタートしている。新生活を始めた方達は、ただがむしゃらに新しい環境に慣れることに力を入れる4月になるだろう。その慌しい一定の期間を過ぎた後、特にゴールデンウィーク頃には、すこし周りも見えてくるころになるのが常だ。

私自身やこれまでの同僚や後輩の実体験をふまえて、以前病棟管理者をしていた立場から、新生活を始めた方々に伝えておきたいメッセージがある。

新卒で入職した方々が陥りやすいネガティブシンキングは、自分以外の新卒者と比べて落ち込むことである。いつも点数化される学生時代は、順番というプレッシャーが生じて、それが闘争心を駆り立てるきっかけになる者もあれば、過度なプレッシャーとなってしまう者、そして他よりも劣っているという劣等感にさいなまれる者もいる。臨床では、新入職者の技術や知識の評価は行っていかなくてはならないが、学生時代とは異なり明らかな順位として表に出ることはない。この意味は、誰かと比べて成長していく時期ではなく、自分自身を自分で評価する時期であることだと、私はとらえている。言い換えると、社会人とは、他人の責任ではなく、自己の責任で成長していくものと言えるのかもしれない。

そこで、伝えたいメッセージの1つ、「他人と比べて自分を評価するのではなく、すこし前の自分と自分を比べて評価する」という気持ちを持ってほしいということである。人には、得意不得意、向き不向きがそれぞれにある。自分とまったく同じ人間は、クローンで無い限りありえない。何を言いたいかというと、まったく異なった人(同僚の出来具合)と比べても、元が違うのだから、比べた相手のようにはなりえないということだ。なりえないことを頑張っても疲れてしまうだけである。だからこそ、比べる相手は、すこし前の自分と比べることをお勧めするのだ。

自分の成長は、小さな一歩もあれば、他人にも分かるような大きな一歩もある。小さな一歩は他人には分かってもらえないものも沢山ある。他人にもわからない小さな一歩を認められるのは、自分自身しかいないのだ。初めから大きな一歩を踏み出せる人なんて、ほとんどいない。小さな一歩を積み重ねて、大きな一歩として周りにも見えてくる。新卒のみなさん、365日、1日1つを確実に身につける努力をしてみてください。1日に2つでもいいでしょう、それは個々のキャパシティーによって決めればいい。1日1つを覚えると、1年で365個のことを身につけることができる。1日2つ覚えられる人であれば、その倍である。新しくなんらかのスタートを切ったとき、始まったばかりで終わりなんて想像もしていない人がほとんどだろう。けれども、何らかの形で終わりは突然やってくることもあるのだ。だからこそ、自分の未来をどのようにしたいかを考え、そこにたどり着くにはどうすればいいのか逆算して物事を組み立てていくことが必要なのだ。

 

東京ベイ浦安市川医療センター
集中ケア認定看護師/米国呼吸療法士

戎 初代