本来の看護必要度は、看護のプロセス指標として、どうすれば医療の質の向上につながっていくかをチェックする指標でなければらないと考えられてきました。
例えば、病棟間で看護職員の配置を決める際、看護師長の主観により決められていたものが、看護必要度という客観的な指標を用いることで、より現状に適した、質の高い看護体制が採れる可能性があります。
また、医療の世界では、病院が違えば、医師が違えば、同じ言葉でも異なる意味になることがありますが、看護必要度は定義が定められ、多くの看護職員が評価方法を理解し、全国の医療機関で評価が異なることがないよう工夫されています。
つまり、看護必要度の評価は事実上の標準となっており、全国の病院の患者状況の把握、比較のためにも活用されています。
将来の我が国を考える上で、看護の人材育成は重要な課題の1つです。
看護必要度は、すべての項目についての定義を学んだうえで、毎日患者のアセスメントを行うことになります。これを継続するためには、学習を続けることが欠かせません。
このような学習の継続が、看護に携わる職員のアセスメント能力を高めることになり、看護の人材育成につながっていくと考えられます。